森は (2014)

森の中を歩いていると
いろいろな人が、それはそれは
もう忘れたと思ったのに
遠いところから、これはこれは

ご挨拶もほどほどに
あのときの話、ぽつりぽつり
誰も知り得ない、はじめと終わり
昔のことはあとの祭り

でもいったいどうして今日はここまで?
どうやって居場所を知ったの?

森は大きくなることをなまけて
きっと初めからそこにただ広がり
たまにうろうろするわたしを見つけ出して
予約してない録画の続きを見せてくれます

森の中はとても危険
間違いだらけの終わらない試験
ひとり歩くわたしも真剣

泉の底を覗いてみると
尋ねてくる気持ち、今か今かと、これでもかと
もう忘れたと思ったのに
手繰り寄せようと、あの手この手で

でもいったいどうして今日はここまで?
そちらにわたしはいないの?

森は嘘が明らかになることを恐れて
そっと手がかりだけ静かに耳打ちし
単におろおろするわたしを引きずり回して
もう一度会えるなんて下らない妄想を抱かせ
内容のない映画のフィルムを回し続けます

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